2016年10月18日火曜日

第二回口頭弁論(概要報告)

 マイナンバー制度はプライバシー権を侵害するとして、国を相手に個人番号の収集・利用等の停止を求める「マイナンバー(共通番号)違憲訴訟@神奈川」の第二回期日(口頭弁論)が10月13日、横浜地方裁判所で開かれました。
 前回に引き続き、当日は横浜地裁で最も大きい101号法廷(傍聴席84席)を用意しました。傍聴席が埋まるか不安でしたが、80名近い傍聴希望者に集まっていただき、整理券が配布されました。法廷内は、原告席に原告15名と代理人(弁護士)10名が着き、傍聴席は原告側の参加者で埋め尽くされました。被告の国側は9名が被告席に着いていました。

 午前11時に開廷。はじめに、9月に行った二次提訴(原告19名)と一次訴訟との併合を確認しました。これにより、本訴訟の原告数は220名となりました。
 
 次に、原告側から提出した3つの準備書面について、代理人2名が意見陳述しました。
 小賀坂弁護士は、個人情報の連携基盤となる「情報ネットワークシステム」の問題性を指摘しました。自治体が保有するすべての特定個人情報は、東西2カ所に設置された「中間サーバー・プラットフォーム」に集約され、相互バックアップの関係にあることを説明。これは情報の「一元管理」に他ならず、国が安全対策として主張する「分散管理」という理屈は破綻していると指弾しました。
 鈴木弁護士は、昨年10月から現在に至るまでのマイナンバー関連の情報漏洩事例を紹介。新聞やネット報道等で確認できる限り41の事故事例があり、国の安全管理措置が機能していない実態を明らかにしました。

 続いて、原告で社会保険労務士の鈴木康功さんが、マイナンバー関連の事務現場に身を置いてきた経験を踏まえて意見陳述しました。
 鈴木さんは、顧問先の会社やハローワークで情報漏洩のヒヤリ・ハットミスを何件も目撃した経験から、「ヒューマンエラーの根絶は不可能」と指摘。行政機関も実務経験の乏しい非正規労働者が窓口対応しているのが実態で、情報漏洩の危険性は大きいと強調しました。また、行政・民間企業・労働者の現場から制度に好意的な意見は皆無で、不安や反対の声ばかりが聞こえてくる現状を報告。
 最後に鈴木さんは「国民のプライバシーを危険に晒し、メリットは皆無に等しい」と指弾し、制度の速やかな中止・廃止を求めました。傍聴席から拍手が沸き起こりました。

 意見陳述を受け、国側の代理人は▽準備書面や陳述書は1週間前に送ってほしい、▽原告の意見陳述は必要ない、▽意見陳述への拍手は控えるべき――との反論をしました。これに対し裁判官は、「意見陳述を認めない理由はない」と回答。拍手の件についても無反応で、国側の主張も意に介さない対応でした。

 その後、次回以降の裁判進行について協議しました。
 国側は、原告側の主張が出そろった後に、まとめて答弁したいとしました。これに対し小賀坂弁護士は、今回提出した準備書面3「情報ネットワークシステムの概要と問題点」については、次回期日までに釈明してほしいと要求しました。しかし、国側は「難しい」との回答でした。
 裁判官は、原告側に今後の主張について質問。小賀坂弁護士は、情報連携の更なる追及、マイナポータルの問題、住基ネット訴訟の最高裁判決との比較など、いくつもあると答えましたが、裁判官はあと2回ほどで原告の主張をまとめてほしいとの提案が出されました。
 
 口頭弁論の後、波止場会館に移動し、報告集会を開催。65名が参加しました。
 集会では裁判報告、準備書面の説明などの後のフロア討論では、裁判に関する勉強会の開催要望、事業者として従業員のマイナンバー収集をすべきかどうかの相談、マイナンバーの提供を拒否した事例報告など、活発な発言がありました。最後に次回口頭弁論の日程(2017年2月9日、16:00~)を確認し終了しました。
※写真は報告集会の様子です